歯科医師の将来性はないの?長期的なキャリアを築くことができるのか

歯科医師の将来性はないの?長期的なキャリアを築くことができるのか

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今や歯科医院の数は全国約6万8,000院に上り、歯科医師の数も10万人以上となりました。
そのため「歯科医師の数が多すぎて余ってしまうのではないか」という話はよく耳にするでしょう。
歯科医師として働く方は当然「将来のキャリア」について不安に感じる部分は多いでしょう。


一般企業のような定年制度があるわけでもないため、歯科医師免許の取得者は増加の一途をたどっていると言えます。一方で健康な歯を保つことが全身の健康にも繋がるという考えが浸透してきたこともあり、定期的なメインテナンスを行う人や、治療が必要な高齢者の増加で高い需要があります。

そこで今回は歯科医師の将来性につて解説をしていきます。
 

歯科医師の将来性は明るい?




歯科医師は多種多様なキャリアパスがあり、将来に渡って長く活躍することができる職業です。また、高齢者の増加や口腔内ケアへの関心増加からニーズが高まってきている職業でもあります。
一方で2030年までに歯科医師の数は約30,000人増加すると言われており、供給過多になる可能性が高いというのも事実です。

では実際に歯科医師としての職業に将来性はあるのかを見ていきましょう。

 

高齢化が進み治療が必要な数は増えている

日本では2025年にはいわゆる団魂の世代が全て75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」があります。

超高齢化社会が進むことで慢性疾患や認知症などの増加が考えられ、介護の負担が大きくなります。適切な口腔ケアを行うことで肺炎リスクの低下を見込めることや、歯周病と糖尿病の関連性もあることが分かり、歯科医師の治療ニーズはますます高まっています。

また、歯科医院への通院が難しい高齢者も増えてくるため、訪問歯科ができる歯科医師はより市場価値が高い人材になるでしょう。
 

口腔内ケアへの関心が高まってきている

統計によると1年以内に企業や自治体の歯科検診や歯科医院を受診した割合は約52%となっており、年々その受診率は高くなっています。そして半数近くが予防目的の受診と言われており、日本人の口腔内ケアへの関心は高まりを見せています。

また、近年では若年層を中心にホワイトニングへの関心を持ったり口臭意識が高くなるなど、歯科医院に足を運ぶきっかけが以前よりも広がりを見せています。

キャリアの選択肢が広い

歯科医師としての働き方には一般歯科勤務・病院歯科勤務・開業・一般企業といったように様々なキャリアの選択肢があります。
割合としては一般歯科86%、病院歯科11%となっており一般歯科で勤務医として働く働き方が代表的だと言えます。
しかし、歯科医師として開業する人の割合は年々増え続けているため、自分の経験や得意分野によって進める道が複数あるのが魅力でもあります。

また、歯科医師としての経験を活かし、歯科治療用の機器メーカーに就職したり、口腔内医薬品のメーカーに就職するという道もあります。
幅広いキャリアパスがあるのは歯科医師の大きな魅力ではないでしょうか。
 

安定した収入




歯科医師の平均年収は782万2,400円と全産業の平均年収である433万円と比べると非常に高い年収だということが分かります。非常勤勤務の場合の時給も5,314円ということで、安定した収入を期待することができます。

また、国家資格である歯科医師は、職場復帰のしやすさやどこでも働くことができるという点でも将来性がある仕事だと言えるでしょう。
 

女性歯科医師が増えてきてる

厚生労働省によると女性歯科医師の人数はここ数年で約1.5倍にまで増えたと言われています。割合で見ると約25%が女性歯科医師ということで、女性の社会進出の波は歯科業界まで届いているようです。
また、女性歯科医師には親しみやすさや、女性ならではの審美的な目線がある他、自身の経験を活かすことができる小児歯科の分野での活躍も期待することができます。

最近では産休・育休も取得がしやすい歯科医院が増えているため、女性歯科医師が働きやすい環境が整ってきました。

 

歯科開業が可能




歯科医師の場合、勤務医を経て開業をするというという選択肢があります。
年代別に開業している歯科医師の割合を見てみましょう。

50代~70代の開業がもっとも多く7割から8割以上で開業をしています。逆に30代以下の開業はほとんどないのが分かります。やはり開業に必要なスキルや資金などを考えるとある程度安定した状態で踏み切る場合が多いようです。

ちなみに20年前の30代開業率は約49%と今に比べると非常に高いため、勤務医として勤める期間が長くなっている傾向と言えます。
 

専門分野に特化できる

歯科医師には歯周病や口腔外科、矯正や小児といった専門分野が存在します。各分野で経験を積み、知識をつけることで認定資格を取得し、専門分野に特化した歯科医師になることができます。時代の変化をつかみながら経験を積むことで、あらゆる角度からニーズを満たすことが可能です。

例えば「平成29年・令和2年患者調査」では平成29年の矯正での初診患者数が800名/日だったのに対し、令和2年では2,900名/日と約3.6倍と大幅に上昇しています。矯正歯科の認定資格を取得することで非常に将来性のある仕事になり得るのです。

 

専門性を高めることで長期的なキャリアを築く




年々高齢化が進み一人当たりの平均寿命も長くなっている昨今、一人一人の口腔内の環境を整えることは非常に重要なことです。

「病は口から」という言葉が表す通り、高齢化社会において口腔内を整えるということは非常に大きな役割を担っていると言えます。
少子高齢化や歯科医師数の増加による供給過多が問題視されていますが、それぞれが専門性を高めることで歯科医師として長期的なキャリアが築けるということは間違いないでしょう。
 
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