歯科医師の平均月収や平均年収を解説!開業医は1,500万円越えが当たり前?

歯科医師の平均月収や平均年収を解説!開業医は1,500万円越えが当たり前?

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厚生労働省が令和4年に行った最新の『賃金構造基本統計調査』によると歯科医師全体の平均年収は810万4,100円となりました。

平均月収は62万2,900円、賞与では62万9,300円という結果です。

また、勤務医が平均年収700万円前後になるのに対し、開業医は1,400万円になるなど約2倍近い開きが見られました。

しかし、実際に歯科医師のキャリアカウンセリングを行っているデンタルハッピーが
数百名の歯科医師から直接聞いた給与とは大きな違いがある結果でもありました。

そこで今回は最新の『
賃金構造基本統計調査』結果と、実際に歯科医師とからヒアリングした本当の年収を解説します。

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歯科医師の平均年収は810万4,100円



厚生労働省が発表した令和4年度賃金構造基本統計調査によると、歯科医師全体の平均年収は810万4,100円でした。
平均給料で見てみると62万2,900円、賞与では62万9,300円という結果になりました。

前年度の平均年収が782万2,400円、平均月収58万4,700円、平均賞与が85万6,000円だったこともあり、30万円ほど平均年収が上昇傾向になりました。

また医師の平均年収が1,428万8,900円となり、医療業界では医師に次いで2番目の高給与となりました。(手取り給料の考え方についてはコチラ


参照:令和4年度 賃金構造基本統計調査 結果の概要
 
歯科医師のホンネ
勤務医の場合で850万前後が多く、分院長クラスで1,200万円~1,500万円が平均的。
開業医で1,200万円~1,400万円あたりが多数なので、分院長で勤務をして稼ぐのもアリ。
 

 

自費診療や専門分野に強い歯科医師は高年収の傾向

近年では矯正歯科や審美歯科に興味をもつ人が増え、それに伴い自費を中心(もしくは専門)に診療を行う歯科医院が増えました。

平成29年・令和2年患者調査によると平成29年の初診矯正患者数が800人/日だったのに対し、令和2年では2,900人/日と約3.6倍にまで増えました。
(※再来患者の場合は約1.8倍)

この背景には若年層の美容意識の変化があると考えられ、今後も自費診療の市場は拡大するとみられます。

自費診療に力を入れている歯科医院になると、一般歯科よりも年収が高くなる傾向があり、歯科医師として年収や給料を上げたいのであれば、こういった専門分野に特化するという方法もあります。
 
 

【年齢別】男性歯科医師は40代で1,000万円越え




年齢別で見てみましょう。
歯科医師は24歳で卒業した後、研修医として働き始めることになり、その際の年収は215万円と高くはありませんが、25歳~29歳で464万3,300円と倍近くにまで上がっていきます。

各年代の中で45~49歳が1,254万6,400円ともっとも高くなりますが、これは経験を積みベテランになったという理由のほかに、開業後に法人の理事長という形で複数院を経営するパターンがあるというのも影響しています。

また、50歳~54歳で一時的に年収が下がるのは、40代後半から開業をする歯科医師が増えてくるということが影響していそうです。開業直後は人員や設備への投資が必要にもなり下がっている場合があります。

 
歯科医師のホンネ
感覚的には
1年目で400万
2年目で450万~500万
3年目で600万
4年目以降で600万~1,200万

3年目以降は歩合がつき保険売上の20%、自費診療の20~25%が平均的。
完全歩合の場合は最低保証として月収50万円前後が設定されていることが多い。
 

【男女別】男性歯科医師は平均年収793万円、女性歯科医師878万円




男性歯科医師の平均年収は793万7,800円、女性歯科医師の平均年収は878万1,200円でした。

近年、男性歯科医師の方が高収入になる傾向がありますが、最新のデータで初めて男女が逆転した結果となりました。

女性歯科医師の数自体が増加傾向でかつ、産休育休などライフイベントに合わせた福利厚生の充実が理由と考えられます。

 

【非常勤・パート】平均時給は9,535円


非常勤・パートの平均時給は1,535円、男女別で見ると、男性12,145円、女性5,683円となりました。

最近では常勤ではなく非常勤として複数の歯科医院を掛け持ちしている方が増えてきました。
非常勤で働くメリットとしては週1~働くことができるため、ワークライフバランスを取ることができることや、専門性を活かした診療ができる点と言えます。
 
歯科医師のホンネ
実際の時給は
1~2年目で2,500円~3,000円
3年目以降で3,000円~4,000円
矯正や訪問など専門的な診療ができるレベルで4,000円~5,000円が多数。
 
 

【地域別】鳥取県がTOP




賃金構造基本統計調査によると都道府県別の平均年収TOP5は鳥取県が1,154万1,000円でTOPとなりました。続いて熊本の1,058万円、岩手県の1,049万円がランクインしました。

ただ、従業員数や労働時間など細かな要件を満たした歯科医院で働く歯科医師のみ統計対象になっているため、実感とは異なった数値となりました。あくまでも参考程度に見てみるよ良いでしょう。

関東で見ると埼玉県の974万円がTOPで、次いで千葉県の543万円、東京都の546万円、神奈川県の501万円となりました。
 

開業医の平均年収は1,420万円!

開業する年齢やタイミングは?




歯科医師で開業した場合の平均年収は1420万円となりました。

さらに自費診療の割合が高い歯科医院ではさらに年収が高くなる傾向があり、開業をすることで「年収1,500万円の壁」を超える可能性を十分に秘めています。

ただしこの数値は医療法人においての院長の年収となり、個人の歯科医院という括りでは約646万円という結果となりました。

いずれにしても高年収ということに変わりありませんが、その分、設備投資や人員の確保に充てる必要があるため、資金運用は長期的に考える必要があります。また、けがや病気をした際の保障や給与の保障がないため、一定のリスクを孕んでいるのも事実です。単純な金額だけの比較はできないことは考慮する必要があります。

なお、厚生労働省の医療施設動態調査(令和4年7月末概数)によると
2014年には12,393軒だった歯科医療法人ですが、2022年には16,241軒まで増えてくるなど、開業後は法人化する院長が非常に増えてきていると言えます。


>>歯科医師が開業前に持っておきたいスキルを解説

   
歯科医師のホンネ
歯科開業医の年収はピンキリなので600万円台~5,000万円まで様々。600万円台だとしても自分の給料を押さえて内部保留している院長も多いので、見たままの収入で判断することは難しいです。
 
 

開業に必要な資金




歯科医院の開業に必要な資金はクリニック規模にもよりますが、ユニット3台ほどの場合で最低でも約5,000万円~と言われています。では実際にどんな費用が掛かってくるのかを見てみましょう。

①物件費
テナントや戸建て、居ぬきなど様々な条件で違いがありますが、もっとも大きい負担となるのが物件費。都心部や地方といった立地でも大きく変わりますが、最低でも約3,000万円~(テナントであれば約500万~)と言われています。

②広告宣伝費
ホームページはシンプルなものであれば約20万円~でも制作が可能です。ホームページの開設~検索で目につくようにするためにの施策(一般的に言うSEO対策など)をすることで新規患者の集客に繋げられるでしょう。

③医療機材・設備費
どんな機器を揃えるかによって大きく変動しますが、2,000万円程度は見積もっていた方が良いでしょう。ユニットは1台当たり250~500万円ほどかかり、プラスでバキュームやエアーコンプレッサーなどつけると、それぞれ50万円程かかってきます。その他、デジタルレントゲン、CT、モニター、滅菌機、光照射器、超音波洗浄機、レセコンシステムなど初期投資で揃えるものは膨大にあります。
最新機器を購入する場合は2,500万円はかかってきます。

④内装工事費
テナントで入居する場合は1,500万~はみておきましょう。こだわればこだわる程費用が膨らみますが、居ぬき物件を利用するなどして節約をすることも可能です。

その他、麻酔薬やアルジネート印象材、ディスポ消耗品など初期投資が必要になります。

歯科医師として年収を上げるには

 

スキルを上げる

歯科医師は技術職なので専門性を磨くことで年収を上げる選択肢が増えます。
歯医者は、考えたことを形にする仕事です。

これができれば、「患者さんの満足度」「歯科関係者からの評価」が上がり、自然と年収も上がります。


また、口の悩みは、多岐にわたります。

なんでもできることも強みではありますが、同時に専門性を磨くことも重要です。

専門性により獲得した強みがあなたの年収を上げてくれるでしょう。
 

コミュニケーション能力を上げる


コミュニケーション能力が上がると、年収アップにつながります。

コミュニケーションがとれていると、信頼関係(ラポールの形成)をしやすいです。


そのため、患者さん・スタッフ・他の歯科医師に信頼してもらえるようになります。

患者さんにとっては通いやすい病院になりますし、スタッフとの連携も安定します。

他の歯科医師の先生からも紹介されることが増えてくるでしょう。

 

副業してみる


歯科医師に関係するものや歯科医師としての専門性を活かしたものと、それ以外の2パターンに分かれます。

歯科医師の副業としてよく選ばれるのは
・ライター(ブロガー)
・製品監修
・医療翻訳


あたりです。


医療翻訳は専門性が高く難易度も非常に高いですが、外国語ができる先生が活躍できるお仕事です。


歯科医師の副業はこちらの記事で詳しく解説しています。

>>歯科医師がやるべき副業とは?
 

環境を変える

 

環境を変えることで年収がアップする可能性があります。

ひとつの病院に勤務していると、今の自分の給料は適正なのかどうか判断がしにくくなりますから、定期的に転職サイトを見て自分の立ち位置を確認することは重要です。

あまりにも低い年収で働いているのであれば、自分をもっと高く評価してくれる病院が見つかるはずです。


もうひとつ、開業することも手段です。

開業医は上記の通り勤務医に比べると年収の上限が非常に高く、中には年収が5,000万円以上の開業医もいるほど。

まとめ

 
いかがでしたでしょうか。
歯科医師の平均年収は810万4,100円、40代で1,000万円を超えるということもあり、非常に高収入が見込める職種と言えます。
開業をすることでさらなる高収入は目指せますが、開業資金確保からリスクを取る必要があるので長期的な計画を立てていきましょう。

>>歯科医師として年収UP・キャリアUPを相談してみる

 
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